実家の様子。

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実家の廊下です。

ちょっとゴージャスっぽい作りも

ウチが得意としているところです。

ゴージャスにリフォームはいかがですか?

ワインのよく合う家です。

立場を勘違いするな。

私達建築業者は技術と知恵が売り物です。

材料や他工事は知り合いの業者にお任せしております。

先日「大工の人件費をさげるな」と書きましたが

業者にも同じ事が言えます。

常識の範囲で言えば 私の会社も適正価格まで値切る事があります。

(適正価格まで値切ると言う言葉もおかしいですけどね)

ただし 私の会社は他の会社様のように

馬鹿みたいに安くせろ! なんて間違ってもいいません。

なんでかと言うと・・・・・

私の母親は賃貸で生計をたてているのですが

個人事業者としては異例の入居率を誇っております。

しかも 最近の話ではなく25年ぐらいの賃貸仕事で

97パーセントの入居率を誇っております。

(入居保障などの類のものはございません。)

私はこの母親の事を密かに「最高の経営者」と思っています。

何故なら人の痛みが分かる人だからです。

うちの会社に金額的に厳しい仕事が舞い込んで来た時

どうしても利益がでない。

やはり業者に無理をしてもらわないと厳しい時がありました。

そんな時 私の母親が言った一言です。

「うちの会社は業者さんや 建材屋さんがいて 成立している会社なのよ

なんでも「お陰様で」って思いなさい、彼らが居るから家が建てられる

建材屋が材料を売ってくれるから仕事が出来るのよ。」

当たり前ですけど こんな事言える経営者は 長崎県内にはそう居ないでしょう。

素晴らしい母親です。

元請けだからこそ 業者に飯を食わせなければならない。

元請けだからって「立場が上と思うな!」 と 母親は言いたかったのでしょうね。

一発見積もり。

色々な大工さんや建築会社の人と仕事の話をします。

話題といえば 「仕事あるね?」  「儲かってるね?」 しかないですけどね。

お客様が仕事の依頼をする前に行う事は まず見積もりです。

しかし この見積もりですが  大勢の会社の人たちは

「お客から 高いんじゃないの?って言われて もう作り直して4回目ばい。」

なんて話よく聞きます。

へ~ と私は関心します。  4回ねえ・・  頑張ってるじゃん。

まあ 大体 うちの会社の見積もり毎回一発で通るので そんな辛さは分かりません。

「なんで?激安だから?」

「手間 はぶいてるの?」

等と聞かれますが・・  私にも分かりません。

お客様に恵まれているのも あるかもしれませんが

毎回 適正な価格でしか見積もりを出さないからじゃないですか?

まず大工の人件費は一日一万五千円はいただきます。

半日なら七千五百円です、 これが現在の適正価格です(九州に限る 関東なら二万千円ほど)

基本はこれくらいです、材料には1.9~2.4割程の利益を載せます。

金額のもともと低い材料については利益は皆無って所ですかね。

この利益は会社の運営費(税金や事業税 道具費 固定資産税 等等)に欠かせません。

だから毎回同じ利益率で お客さまに 見積もりを出させていただいております。

たまに原価を公開します! なんて 所もあるようですが

「おいおい。。。馬鹿じゃないのか?」 と 思ってしまいます。

「言っておきますけど 我々業者は 取引先や 取引内容によって 仕入れ値が変動します。」

定価の45パーセントで仕入れられる材料もあれば頑張っても78パーセントでしか仕入れを出来ない材料もあるのです  薬の原価って分かりますか? せいぜい50円もしませんよ。

しかし 原価につながる研究費、 これは材料に上乗せされます。

8円の原価のガラスコップが100円で売られるとしますね、 業者の仕入れ値が34円だとしても

結局原価には届きません、原価は「何もない状態の金額」だからですね。

要するに 原価とは ある意味誰にも分かりません。

仕入れ値と原価は違いますからね。

話がそれてしまいましたが うちの会社の一発見積もりですが

電話で見積もりしてって言われても  正直難しいのです。

現場に出向き 寸法を調査して それを図面に描いて 柱の一本から断熱材の一枚まで

手と頭だけで計算します。

「時代おくれじゃないの?」 なんていわれそうですが これがハイテクですよ。

現場の収まりが分かる大工が見積もりするのが一番正確に見積もれます。

正確に見積もりをした後で 材料費と会社の運営費を載せてお客様に見積もりを出すのです。

作り直すのが面倒なので いつも 当たり前の金額しかもっていきません

無料見積もりですが どんぶり勘定しないのでものすごく時間がかかるのです。

お客様に「高いんじゃないの?」と 言われたときは 

「他の会社からお見積もりとってみましたか?」 と聞いてみます。

是非 とってみてください。

しかし 人件費の極端に少ない会社からは 遠慮してください。

私達は職人を殺してまで利益を上げたくはないのですから。

努力をする事。

なんだか最近会社のFAXに経営セミナーとかこれは売れるぞ営業のススメ等が送ってきます。

私も会社の跡継ぎとして 頭が痛くなるほど経営の本を読んでまいりました。

やはり一番良かったのは船井幸雄先生の考えでしたね。

目からウロコ心から納得する事ばかりの内容です。

ですので おととし位まで興味のなかった経営コンサルタントさんにも興味を持つようになりました。

よく 会社の方にコンサルタントの方が営業に来ます。

毎回素晴らしいお話を聞かせてもらって感謝をすると共に

「やはりこういうものに頼らないとこれからは厳しいのかな・・」等と思う一面もありますが

コンサルタントの方は「努力されるのはかまいませんよ、

でも、今すぐ売り上げを伸ばすのと

5年後からじわじわと売上げが上るかどうかも分からない状態のままでいるのとどちらを選びますか?」

と 聞かれたら「う~む。」と悩みます。

わが社は責任施工してますので コンサルタントの方が言うように

大工の人件費を下げましょう! には 全然納得できないんです。

大工の人件費を下げればそりゃ 会社は儲けますよ。

でも 私はそんな会社ならつぶれてしまえ と思う方ですので・・・

頑張ったら頑張っただけ豊かにならないと 人は苦しいと思うのです。

従業員や大工の賃金を下げて自分が儲ける前に 社長の取り分を減らしてでも

人に返すべきではないでしょうか?

何故なら会社は人の為に存在して 自分の為ではないからです。

犠牲を強いるならまず自分から それが義理人情だと思います。

私はそういう会社を目指したいのです。

外国の素晴らしい町並み。

町並みというのは人が集まる処なら どこでも出来てしまいます。

海辺でも山の中でも。

外国の町並みは本当に素晴らしいですね。

イタリヤやイギリス アメリカや中国でも(中国の町並みは乱雑ですが喧騒の中に統一された町並みとしての美しさを私は感じます。)

その国の生活様式や風土にあわせ 無理の無い暮らしを過ごす事を

考えていった結果なんでしょかね?

統一されたものには自然と「整理」と言う名の美しさがついてきます。

HNKなどを見ているとたまに外国の風景が流れ ただ見ているだけで

「いいなあ  こんな町にすんだら楽しいだろうなあ」 と楽しんでおりますが

悲しい事に この国にはそういう地域は  わずかな一部しかありません。

日本人は変わり者なんですかね? 私もそうですが住宅で言うと

隣の人よりかっこよくしてくれ 隣より個性を出してくれと お客様は言ってきます。

個性が大切な世の中だとは思いますが 決して町並みとしては

美しいものは出来ないでしょう。

クールなコンクリート打ちっぱなしの住宅のとなりにローコスト住宅

その隣に純和風住宅、の隣にハウスメーカー住宅

「町並みなんて存在しねーや。」

まあ  当たり前ですよね。

好きな物建てたら 町並みが整うわけないですから。

なんで個人主義を大切にするEUなのに・・・家だけは統一するのか?

どうして隣の人と個性の競争をしないのか?

私も日本人なので  わかりません。

きっと外国には私達にない住宅の「常識の領域」を持っているのかもしれませんね。

私達のような建築会社も 外国に学ばないといけませんね。

余談ですが とある外国人建築家が東京を訪問したときに言った言葉です。

「日本には神社の後ろに高層ビルが見える、混沌とした町並みだが

近未来とは融合を意味している、しかし融合していない東京は

混沌としての美しさがある。」  と 言ったそうです。

私から言わせれば 「そんなの当たり前じゃないか」  ですけどね。

今の住宅に50インチのプラズマテレビを置いてみなさい、 ですよ。

違和感なんてないでしょ?  それが景色として合っているからですよ。

築100年の古民家にそんなテレビ置いてみてください。

だれもが「おお~かっこいい。」 といいますよ。

違和感の無いものには誰も驚きませんからね、今でいうサプライズです。

余談にながくなってしまいましたが 要するに町並みとは

そこに根付いた建築会社が 歴史を踏まえたうえで お客様に提案するべきなのか?

などと 思ってしまいました。

事実 日本の町並みは  「見る価値もない」 なんですからね。

飲みに出かけました。

大工友達と近所の居酒屋に飲みに行きました。

仕事の話や友達の話で盛り上がりました。

大工の友達の話を聞いていて 思ったことは

彼らに賃金を返還せねば・・  でした。

一時期 牛乳協会が「牛乳を適正な価格で!」と  言っておりましたが

ハウスメーカーの大工さんにも適正な価格を出してもらいたいです。

私はハウスメーカー等の仕事をしようとも思っておりませんが

職人を育てる立場にあるのは町場の大工なのであって

育て上げた職人を コストダウンのメーカーに吸い上げられるのは

はっきりいって 日本の地盤を弱くしていると言っても過言ではないでしょう。

ハウスメーカーは自社で職人を作ろうと  それを自社大工として活用しようとも

思えないです、アウトソーシングと言う名の勝手な英語の解釈で

町工場の育て上げた職人を吸い上げて 都合のいいところで切り捨てるという

人として失格と  私は思います。

そんなメーカーの存在意義はもはやありません。

消えてもらって結構。

日本の素晴らしい木造建築がメーカーに蹂躙されている現状を

情けなく思うしだいです。