当たり前。

無垢の床は暖かい、等と言われます。

石の冷たさとか木のぬくもり等とも言われますね。

しかし、よくよく考えてみたら同じ部屋の中にあって石と木が

別の温度になるわけはありませんよね?

 

無垢材よりも暖かい・・・・・・     どうも岩崎です。

 

まあ 簡単な事だとは思いますが熱環境を勉強するには

このような事でも科学的に理解すべき事が大切です。

石と木では、石の方が熱伝導率は大きく(よく熱が伝わる)比熱も大きい

(熱しにくく冷めにくい)のです。

つまり、よく熱が伝わり一方ではなかなか温まらないが、一度温まると

冷めない、と言う事です。

体より温度の低い石や木に足をのせると、足の裏から熱が石や木の中に

流れこみます。

熱伝導率の大きい石の中へは熱が流れ込みやすく、しかも石の方が温まり

にくいので、石の中に熱がどんどん吸収されていってしまいます。

言い換えれば、足の裏から石の方に熱がよく流れるのです、熱が

どんどん流れていってしまった足は温度が下がり、人は冷たく感じます。

 

木はその反対で、熱が木の中に流れこみにくいうえに、少し流れ込むと

簡単に木の温度が上がってしまうので木の表面だけが暖かくなり、足から木に

熱が流れなくなる、すなわち暖かく感じます。

同じ木でもより軽い木、たとえばコルクや桐など気泡が多い木より乾燥した木

の方が熱を伝えにくく簡単に温度が上がってしますうので暖かく感じるのです。

 

そこでこれを称して 「木には特別なぬくもりがある」 等と

芸術的、情緒的に語って商売をする建築屋や建築家が多いようです。

理系離れがすすんだ昨今、建て主さんたちも少なからず、なるほどと

感心したりするようですが、情緒を楽しむのはいいとしても

その背景にある科学的根拠をきちんと理解する習慣をなくしてしまうと

大事な家造りのうえでも、科学的な事を情緒で判断して過ちを

おかすことにもつながります。 

 

当たり前の事をさも特別な言い方をする方が多い時代ですので

落ち着いて考えてみるのも楽しいでしょう。